Monday, April 7, 2014

95%はデジタル、5%はアナログ、という見方。

10ドルの買い物をするごとにスタンプ1個もらえる店が近くにある。
スタンプが100個あつまると20ドルの商品券になる。

私はここでは頻繁に買い物をしないのでスタンプ100個集めるのに3年くらいかかる。
今日は29.50ドルの買い物をした。
スタンプのルールは四捨五入ではなく10ドル未満の端数は切り捨てだから
私がもらえるスタンプの個数は2個ということになる。
30ドルにかなり近いから3個くれないかなぁという淡い期待もあったが、
今日は3個もらうことができた。

スタンプを3個分押したレジ係りはルールを破っていることになるだろう。
しかし間違った行動とはいえない。
そもそもスタンプのシステムはサービスで、客を常連客とする狙いがあるからではなかろうか。
ここでスタンプのルールを徹底すると、毎日私のようにあとわずかでスタンプが1個増えるような金額の買い物をする人が沢山いるはずだ。その彼らに融通の効かないレジ係り、ケチな店だという印象を与えてしまう。これでは何の為のサービスだか分からなくなる。
もしかしたら、~9ドルの時に、1ドル程度の商品を追加させる効果があるかもしれないが、たかだかスタンプ1個のために余計な買い物をする人がどれほどいるのか?私もそんなことをしたことが学生時代にはあったが、今はしないだろう。何しろスタンプは100個で20ドル、1個は20セント以下の価値しかない。

だからグレーゾーンがあるのだろう。端数が9ドル以上だったらスタンプを押すといったようなどこにも書かれていないルールが。もしかしたら今日のレジ係りの独断、個人的な考え、善意によるものかもしれない。いずれにせよ、ここで3個押してもらえるのは、得をした気分になるし、個人の善意によるものならば尚嬉しくなる。スタンプ1個は20セント以下の価値だけど、こういう好意を受けることによる喜びの価値はそれ以上だと思う。だから私は再びこの店に足を運ぶことになるのだろう。

レジ係りが人からコンピュータに取って代わられたところもあり、これからその変化は進むかもしれない。しかしコンピュータによる自動化となると、好意を受ける機会が無くなってしまうわけで、我々消費者にとってはあまり歓迎すべき変化ではないと思う。

ところで、私が学校の教師として、成績をつける立場にある。
私の成績のつけ方は前出のレジ係りのやり方に似ていてグレーゾーンが存在する。
すなわち、合格ラインに僅かに届かない生徒の成績の扱い方において、成績算出計算法から外れたことをすることがあるのだ。
スタンプをあげないほうが、今後の指導に良いこともあるが、
逆にスタンプをあげたほうが、うまくいくこともある。
宿題点、テスト点などの数値だけで学生の能力を100%判定できるはずもなく、
境界線ギリギリのところでは、人間の判断力、人情、そういった潤滑油があるほうが良いと私は思う。

結論:
100%デジタルで処理できることでも、5%くらいはグレーゾーンを設けて人間的な処理をする方が効果的なのではなかろうか。スタンプは10ドルの5%は50セントだから、今回の私は5%灰色ならば、スタンプをもらえる。29.00ドルしか買っていなかったらもらえなかったということになる。大量に処理すべきことや曖昧さが許されない事象に関しては全てデジタル処理すべきだろう。統計学に登場する有意水準の設定が我々の経験や判断によるように、グレーゾーンの幅もケースバイケースで決めていくのがいいと思う。私の経験ではスタンプのグレーゾーンは10%より大きいのだが、レジ係りによりけりといったところだ。私の成績をつけるときのグレーゾーンの幅は...秘密です。






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