Thursday, June 20, 2013

ルールが変われば、プレイの仕方も変わる(2)

新学期、まず最初の授業でコースの概要、授業方針、成績のつけ方などを説明する。
私の通っていたアメリカの高校ではどのクラスでも例外なく成績のつけ方は明確に数値化してあった。
例えばこんな感じにである。

Final Exam               35%
Projects                    20%
Daily Assignment   20%
Class Participation 10%
Pop Quiz                     15%

そんで、結構定期的に現在の成績が通告される。大体はクラスの壁に名前を伏せた成績一覧表が張り出されていた。それにはそれぞれの課題で何点とったのか、をテーブルにして成績を出していた。それを見ながら”あぁ、今の成績はCか、期末で85点くらい取らないとBにならないなぁ”とか考えるわけである。

今日はこの成績のつけ方について考えてみる。
私の場合、成績は、期末試験、小テスト、宿題の3つでつけている。
問題はその比重だが、最初の頃は20%としていた。
数学はよくできる生徒と中々点を取れない生徒の点差が激しいのが理由だ。
努力してもテストで点が思うように取れない生徒を支援する為に宿題点という目に見える努力評価をしたかったのだ。
しかし2年くらいして、20%は大きすぎると感じるようになった。
宿題点の為だけに宿題をやる生徒が目に付くようになった。
他の生徒の答えをもらう、よく理解しないまま例題どおりの答え方をするなど。
勿論宿題以外の80%の方が大きいし、そこで得点できないと話にならないのだが、
残念ながら、そこまで考えてもらえない。目先の簡単に稼げる点数の為に努力して、本当に理解してテストでも得点できるように努力する人は多くない。
このところ宿題の比重を15%に落とし、期末試験の比重を大きくしている。
最終的には期末試験で高得点を取れる力が備わっていればいいわけだから、期末試験だけで成績をつけてもよいのだが、その場合生徒に相当プレッシャーをかけるし、チーティングの行われる可能性が高まる、数学だけ期末試験のウェイトが高すぎると他の科目の期末試験の勉強が出来なくなるなど、リスクが多い。

そもそも自分の理想とする授業スタイル、生徒に何を期待するかで、成績のつけ方が自ずから定まってくるだろう。それをまだ定められない私はまだ理想形が見えていないのだ。
成績の付け方は私のコースにおけるルールだ。ルールだけで生徒の動きをコントロールすることはできないけど、ある程度はコントロールできる。
正直なところ、私のコースの成績のつけ方より、大きな枠でのルール変更(改革)が必要だと感じているのだが今の私でその枠を動かす力は足りないだろう。まずは自分に与えられた権限だけで最高の結果を出せるようにしなくては全ては戯言として片付けられてしまう。一教員が持つ権限も相当に大きいからな。

1 comment:

  1. 生徒って思わぬ抜け道を見つけるね。おー、数学って面白い、と思わせるのが何よりだと思うな。面白いと思い始めたら、自分から取り組むようになるんじゃないだろうか?これって夢見てる人の発言?

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